「働き方改革」

2018/04/09

我が国では、少子高齢化による生産年齢人口の減少により、多様な働き方など就業機会の拡大や能力を充分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっている。「働き方改革」では、個々の事情に応じた働き方を選択し、各々が将来に希望を持てる世の中を作ることを目指している。「働き方改革実現会議」において、総理が議長となり労働界、産業界、有識者が集まり、色々な分野についてこれまで議論され、「働き方改革実行計画」にまとめられている。この計画に基づき厚労省を中心に具体的な審議がなされている。
医師も含めた長時間労働の是正が最も重要で喫緊の課題である。長時間労働により睡眠不足を余儀なくされる状態が続くと抑うつ気分、不安、焦燥感、気力低下、集中力や判断力の低下を来たし、労働能率が低下し、悪循環に陥る。所謂、うつ病・うつ状態であり、時に休職が必要な状態となる。放置すると何事においても悲観的となり、時には自死・過労死という最悪の結末に至る。過労にならぬように十分な睡眠を確保し、家での休息をきちんと取ることが必要である。過労による自死は、周囲の人々をも巻き込む心理的影響が多大で、生産性および経済的な損失も計り知れない。ストレスチェックが始まり、職場の高ストレス者に対する関わり方が重要になっている。
子育て・介護等と仕事の両立、病気の治療と仕事の両立(両立支援)、障碍者就労の推進、高齢者の就業促進、就労支援事業の拡大などが不可欠であり、産業保健活動が一層、重要になってくるものと思われる。

神戸市 S.H.