マイナンバーカードとオンライン資格確認の原則義務化
2022/10/11
国は今年度末までにほぼ全国民へのマイナンバーカードの交付をめざしています。
来年4月より医療機関のオンライン資格確認の原則義務化は閣議決定され、中医協の答申に従がって、療養担当規則まで改定して義務化を推進することになりました。導入費用の補助金増額はありますが、初期費用は補助金額を超えることも多いようです。厚生労働省は医療機関における日々の事務作業の軽減につながるので十分なメリットがあると訴えております。診療報酬の初診料のわずかばかりの増額がありますが、導入後の維持管理費は継続し、医療機関の経済的な負担になっていきます。オンライン資格確認の回線が全国の医療機関等を結び様々なサービスを提供する医療DXの基盤として活用可能となるという日本医師会の考えは理解できますが、新型コロナウイルス感染症の診療や制度変更の対応で各医療機関は大変な時期、半導体不足で機器の調達や接続業者が限られているこの時期に療養担当規則まで改定して導入を急ぐ必要があるのでしょうか。拙速な導入促進は医療の現場に新たな混乱と負担を招いているだけです。また、マイナンバーカードの普及促進のため、自治体ごとのカード交付率に応じて来年度創設される交付金の分配に反映させることを検討しているとの事です。国はあらゆる手段を使ってマイナンバーカードの普及を促進しようとしています。デジタル担当大臣が「とりあえずマイナンバーカードをまず取って、当面はマイナポイントを使っていただく。そうこうしているうちに保険証にも使えるし、いろんなサービスをリリースしていくので、ぜひ申請してほしい。」と発言されたと報道されております。強引な手段を使ってオンライン資格確認をマイナンバーカード普及のための手段として使用すべきではありません。国はマイナポイントのことばかり広報するのではなく、もっと丁寧にマイナンバーカード普及の目的や利点を説明すべきです。その上でまず取組むべきはマイナンバーカードの義務化ではないでしょうか。