国政選挙が終わるといつも噴出する負担増について

2019/09/20

 国政選挙が終わると社会保障費負担増の議論がいつも噴出する。政府が社会保障改革の司令塔として、全世代型社会保障改革検討会議を創設することが8月31日に分かった。団塊世代が75歳以上の後期高齢者になり始めて公費支出が急増する2022年を控え、医療などの負担増を含む見直しが焦点となる。
 首相を議長に、担当相や厚生労働相、財務相ら関係閣僚と有識者7~8人で構成する見通しで、内閣官房に事務局を新設。厚労省の審議会での検討と並行し、省庁横断的に取り組む。
 年金では、厚生年金の加入義務がない中小企業のパートタイマーらに対象を広げて老後の生活保障を高めることや、受給開始年齢の70歳超への選択肢拡大が論点になる見通し。
 医療は後期高齢者が窓口で支払う自己負担割合(原則1割)を段階的に2割へ上げることや、軽症者用の処方薬の自己負担増など厳しいテーマが予想される。病気予防や健康づくりの推進を通じた経費抑制も目指す。具体的には花粉症治療薬の一部保険適用除外やリフィル処方箋の導入である。
 リフィル処方箋については、病状が安定し、繰り返し同じ処方を医師から受けることが見込まれる患者を対象に、かかりつけ薬剤師に限定して診療報酬に導入する制度だ。90日に1回受診のリフィル処方を導入した場合の医療費適正効果として年間362億円を見込んでいる。
 花粉症治療薬については、花粉症を主病にする患者に対し、1処方につきOTC類似薬を1分類のみ投薬する場合は保険適用から除外すべきとした。スイッチOTC医薬品を使用して自ら治療する患者との整合性を測る観点で必要との事。OTC類似薬の保険適用範囲見直しで最大600億円の医療費削減効果が見込まれるとの推計も示した。
 患者負担増、医療費抑制政策の対策には医療福祉関係の議員の政治的介入が不可避である。今回参議院選挙で、羽生田俊氏が当選したものも上位当選ではなく、薬剤師会代表の本田顕子氏よりも下位当選であった事が危惧される。

(姫路市M.M)