在宅医療・介護は安くつく?
2018/05/07
以前から社会保障費抑制の目的で、病院から在宅へと誘導する施策がとられ続けています。特に今回の医療・介護同時改定でも、その色合いが強く出ているように思います。
しかし、はたして在宅医療・在宅介護は医療・介護費抑制になるのでしょうか?欧米で行われたある調査・研究では、在宅ケアが入院を含む施設ケアより安上がりであることはすでに否定されています。特に重度障害者においては在宅ケアの方が費用は高くつくという報告もあります。
公的な費用にのみ着目すれば、確かに医療・介護費は抑制されるのかもわかりませんが、家族による看護・介護費用が全く計上されず、私費でのサービスも含まれないため、見かけ上は安上がりに見えても実際の個人の負担額は、その分大きく患者・家族にのしかかっているのではないでしょうか?
安心して老後(最後)を迎えるためには、公的年金だけでは不十分なようですし、やはりある程度の蓄えが必要になってきます。このままでは今後ますます格差が広がっていくでしょう。
経済を活性化する施策ばかりが目立ちますが、このような状況では高齢者の消費は冷え込むばかりではないでしょうか?
伊丹市 H.S.