政治の責任
2017/12/19
法人企業統計によると企業の内部留保は2016年度末で過去最高の406兆円を超えている。しかし労働分配率は現在の安倍政権が始まった2012年度より5%ほど低下して67.5%となっている。つまり企業は利益を貯め込んで給与には回さない。所得が増えないことが消費が増えずGDPが思う様に伸びない大きな理由だと言われている。そして消費が伸びないので、税収は思う様に増えず、社会保障の伸びを抑え込もうとする圧力につながっている。企業の生産拠点が海外に移転し、国内産業の空洞化が叫ばれて久しいが、医療介護分野は就業者人口が最も増えている。この分野での労働分配率を上げるには診療報酬、介護報酬を上げるしかない。しかも、この分野は女性の就業者が多く、女性が消費の主体であることは説明するまでもないだろう。お金は天下の回り物で、貯め込むだけでは経済は回らない。日経新聞は社会保障の給付を減らすことを主張しているが、国の社会保障に頼れないと感じた若者は、せっせと貯金をして将来に備え、車も買わず消費をしない。これが経済にどれ程、悪影響を与えているのかわかっていない。社会保障の財源となる消費税率の引き上げに反対するなら、具体的に実現可能な代替の財源を示すべきだ。誰もが嫌う増税をやり遂げて社会保障の財源を確保することは100%政治の責任だ。
(明石市 H)