新型コロナウイルス感染症の5類移行を考える

2023/03/01

 政府は5月8日より新型コロナウイルス感染症を2類相当(新型インフルエンザ等感染症)から5類に移行する方針を決めました。医療提供体制等の詳細は3月上旬に示される見通しですので、この紙面が掲載される頃には概要は判明しているものと思われますが、政府は今行われている措置(診療報酬の特例も含む)を段階的になくしていく方針のようです。
 感染症法上の位置付けが変わることにより、5類移行後は発生届の提出は不必要になりますが、今までのように保健所が患者情報を把握することが出来なくなることで、保健所が担ってきた感染症患者の病状急変時(入院調整など)の対応は医療機関が行う事になります。
外来においては、一般患者の診療と並行して感染対策を取りながらコロナ患者を診療せねばならず、その対応を含めて医療機関の労力は今まで以上に増すことになります。また、病院のコロナ病床が廃止されることになりますと、入院が困難で自宅や施設内療養が求められる事が増加し、往診や電話・オンラインでの対応の機会が増すことが予想されます。
 ここに上げたことは5類移行後の一部の懸念にすぎません。医療やワクチン接種における公費補助(支援)は、国民に急激な負担を生じさせないためにも継続が必要と考えます。政府はより幅広い医療機関がコロナ患者を診るように体制を整備するそうですが、医療機関の事情も十分に考慮した上で、国民に理解を得られるような医療提供体制になることを切に望んでいます。

西宮市K.M