新興感染症対策は国家安全保障の基盤だ
2020/06/10
中国発のCOVID-19感染拡大は世界に大混乱をきたしている。わが国でもマスクをはじめ防護服、感染症病床不足で、患者を受け入れる現場は大変な状況だ。21世紀に入ってからSARS、新型インフルエンザ、MARSなど新興感染症が話題になっていたというのに行革で保健所数はほぼ半減、地方衛生研究所も予算を減らされてきた。公共財を非効率として嫌い、いつ起こるかわからない感染症対策に無関心な経済界、新自由主義経済学者らの圧力が今の状況を生んだといっても過言では無い。人々が安全に往来できる社会なくして何がグローバリズムか。社会基盤である公衆衛生、公共財としての医療を軽視してきた現代社会にCOVID-19は、国際的な経済活動に不可欠な感染症対策の重要性を教えた。新興感染症はこれからも必ず人類を襲うであろう。その対策は公共財としての医療、必要な医療器材の国内生産、備蓄を含め国家安全保障の基盤だ。
(明石市H)