県民の負託

2024/10/01

 県政の停滞や混乱を招き、税金を無駄に使う選挙になろうとしている昨今の状況を3年前には誰が予想しただろうか。選挙前にこの人物の人となりを見抜くことは長年一緒に働いてきた総務省や大阪府の上司、同僚でもできなかったから、我々県民は推薦した政党を信頼し負託するしかなかった。
 一方で知事は県民の負託を受けたと何度も発言している。「選挙で選ばれた」「期待されて任されている」くらいの軽い意味で言っているようだが、その意味では不信任案を提出した県会議員も県民の負託を受けている。負託という言葉の本来の意味は、責任を伴う物事を別の人に託すということであり、負という漢字には責任を負わす、背負わせるという重い意味を含んでいる。負託に応えられなかった場合には当然責任をとることになる。兵庫県民にとっては高いツケとなったがこれを機に候補者の経歴や実績、推薦に至ったプロセスなどを見極めて、責任ある県政を安易に他人に託することのないようにしたい。

神戸市兵庫区HM