開業医を狙い撃ち、いや騙し討
2024/01/01
5類感染症となったコロナ「第9波」と、例年にない早さで拡大したインフルエンザによる発熱患者に対して必死で戦っている、われわれ医療従事者にとっては非常に腹立たしい発言が政府サイドからあがっている。11月1日の財政制度等審議会分科会(以下、財政審)は「診療所の儲けが多いとして診療報酬のうち医師の技術料に当たる本体部分を引き下げるように」と提言。その根拠はコロナ禍で急激に利益が落ち込んだ2020年度とコロナ対策補助金を含め回復傾向にあった2022年度を比較する(経常利益率が3%から8.8%に上昇)という財務省誘導による恣意的な操作によるもので、22日には「診療所の報酬単価を5.5%(改定率で1%減)引き下げ」を主張。それに加えて「診療所の偏在是正のための(診療報酬の)地域別単価の導入」まで言い出す始末。財務省は「予算をいかに、いくら削ったか」を目的とする省庁で、財政審のメンバーは皆、財務省お抱えの経営者や経済学者である。天下りで年収、約3000万円の日本郵政社長に座った増田会長代理が「収益状況は良い診療所の収益を守るのか、勤労者の手取りを守るか」と言うに至っては何をか言わんや、呆れ果ててしまった。また相も変わらず「診療報酬は医師の収入、給与」などと誤った情報を流すメディアも同罪である。パンデミックでは休日、深夜、早朝まで感染症対応を指示しておきながらこの対応は開業医を狙い撃ち、いや完全な騙し討である。
われわれ医療従事者のみならずその家族のためにも政府、メディアに対して一致団結し強い姿勢で対峙する決意が必要である。
(西宮市 Y.K.)