成田の医学部新設も加計学園問題と同じ構造だ
2017/06/28
国家戦略特区と称し、文部官僚元トップの発言を借りると行政をゆがめる手続きにより獣医学部が新設されようとしていることが報道された。しかし、今年、千葉県成田市に新設された医学部もこれと同じく手続きに問題がある。ここも、国家戦略特区という錦の御旗の元、普通なら認可されないものが認可された。
その後ろには某大学の強引な働きかけと、政権の中枢との阿吽の呼吸があったと推測されている。医師数の将来推計と人口減少社会の到来から、医師数はこれ以上増やす必要は無く、問題は偏在であることは識者の一致した見解だ。設立の規制を無くすことがいい事のように主張する一部の学者先生には困ったものだ。かつて駅弁大学と揶揄されて全国に乱立した多くの大学は今、学生の定員割れに直面している。自由に作れば競争がおこり良くなるなどと中学生レベルの理屈をいつまで続けるのか。
かつて、小泉内閣での構造改革特区で株式会社立の大学が認められたがその後、そのいい加減な運営が問題となって立ち消え状態だ。特区で国家の戦略を進めるという貧困な発想からは何も生まれないだろう。