在宅医療・おひとりさまの平穏死をめざして

2019/03/01

 ある雑誌の記事に在宅死の問題点が出ていました。その中で在宅死の半数が異状死であるとの記述がありました。異状死の定義からすると自殺、他殺、交通事故や薬物中毒などのほかに病死の可能性があっても死亡原因が明らかでない死亡も含まれます。主治医やかかりつけ医は診療が継続している患者が診療に関連した病気で死亡した場合、死亡診断書を書くことが出来ます。ということは死亡診断書を出せない状況が多いというのが現状ということになります。
 2025年に団塊の世代が後期高齢者となる75歳となり、いよいよ超高齢多死社会に入っていきます。更に2040年には4,5人に一人が一人暮らしになるとのことです。在宅医療が叫ばれるなか、在宅を担う医師の数も少ない、また訪問診療出来る人数も限りがあるというのが現状です。
 異状死を増やさないためにもかかりつけ医を持つこと、在宅医を増やすことは喫緊の課題となります。またACP(AdvanceCarePlanning,人生会議)に取り組み、普段から患者、患者家族、医療介護関係者での話し合いを出来るだけ持つことも必要、救急対応せずに平穏死を迎えられるようにDNAR(DoNotAttemptResuscitation)に関しての法整備も必要と考えます。 
 超高齢多死社会になりますが、一人暮らしの方にむけた終末期医療のあり方の国の整備も急がれます。またかかりつけ医、在宅医を増やすこと、在宅医間での連携もまた急がれます。雑誌の記事のごとく、「おひとりさまの在宅大往生」を目指したいものです。

神戸市 K・A