誰に投票する?
2019/07/10
「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」北方領土へのビザなし交流訪問団に同行していた現職衆議院議員の発言だ。平和主義を基本原則として、戦争放棄を規定する憲法9条をないがしろにする発言で、驚きを通り越して呆れてしまう。国会議員の劣化はこれにとどまらない。育休取得宣言後の不倫発覚や女性問題、秘書への暴言暴行など、さらに現職副大臣は道路整備を巡り「総理や副総理が言えないので私が忖度(そんたく)した」、五輪相は「復興以上に大事なのは高橋(比奈子衆院議員)さん」と発言し更迭された。どうなっているのだ、この国の国会議員は。そして、誰がこの議員達を選んだのか。
折しも参議院議員選挙が始まった。さて、我々は誰を選ぶのか。
正論を言うならば、「各候補者のホームページや国政報告などを見比べる」「選挙公報を読み、選挙期間中は街頭の訴えに耳を傾ける」となろうが、なかなか時間も興味もないのが現状だ。
インターネットを閲覧していると、おもしろい記事を見つけた。地方自治ジャーナリスト・相川俊英氏の「選んではいけないNG候補」の見分け方5箇条。
曰く、1つ目は、ホームページやフェイスブック、ポスターなどで知事や市区町村長、国会議員、との関係の深さをしきりにアピールする候補者。この種のタイプは国会議員や首長の手下のような人物が多い。2つ目は、自分の手柄話ばかりする人や逆に自分の意見を言わない候補者。そもそも自己愛の強い人は政治家には不向きだ。「私が、私が」という自己顕示欲の強い人は、住民よりも自分のことを優先してしまうからだ。3つ目は、自分の地元や支持団体、支持者にばかり目を向けている候補者。全体のことを顧みず、特定の地域や団体、個人の個別具体的な要求に敏感に対応し、駆けずり回っているような人は避けるべきだ。現職議員のホームページやフェイスブックをチェックすることで議員の資質が見えてくる。議員活動の中身をきちんと報告している人はOKだ。質問内容や議案への賛否とその理由説明、さらには政務活動費の使途などを明らかにしている議員は、信頼してよいだろう。4つ目のポイントは、選挙公約だ。具体性に乏しく、スローガンやポエムのような公約を掲げている人はNG。逆にあれもこれもとテンコ盛りしている人や政党やどこかのマニフェストのコピー&ペーストのようなものを載せている人も避けた方が良い。公約や選挙公報を読んでその候補者の思いが伝わってこなければパスすべきだ。何のために議員になろうとしているかが明確でない人は、選んではいけない。税金の無駄使いにしかならないからだ。5つ目は、自分のビジュアルやイメージを常に意識し、それをアピールするような候補者。「人は見た目が大事」というが、見た目だけで議員を選ぶとトンデモないことになる。これまで散々痛い目にあってきたはずだ。投票先を決める判断材料にしていただきたい、とのこと。
ドイツの経済学者マックス・ヴェーバーは著書の中で、政治家に必要な重要な資質は、「情熱」「責任感」「判断力」の3つであると記している。そして最大の敵が「虚栄心」とも説いている。相川氏の記事に通じるものがある。
投票しても何も変わらないし誰に投票すれば良いのかわからない、今回も投票に行くのをやめようとお考えのあなた。上記の引用は参考になりましたか。低投票率が議員の質の悪化を生み、国会を形骸化させてしまうのです。まずは投票に行って、国会議員の劣化に歯止めをかけようではありませんか。