世襲政治に終止符を!!

2020/06/09

 各誌の世論調査における現政権の支持率がようやく40%を切った。第一次政権の時に閣僚の不祥事による辞任が相次ぎ、年金記録問題をはじめ多くの問題を抱えながら、わずか1年足らずで敵前逃亡したような人を、何故また自民党が担ぎ上げたのか、さらに第二次政権が成立後も何故支持率が50%以上もあるのかが不思議でしょうがなかった。
 国会の答弁では、言い訳めいた発言ばかりを繰り返し、「一気呵成にこれまでにない発想で思い切った措置を講じる」だの、「世界でもっとも手厚い休業補償」だの、実体のないくだらない修飾語ばかり並べていて、なんら説得力もなければ、信頼感もない発言を繰り返すだけの人であることは、コロナ禍における対策についての一部の知事の発言と聴き比べているとすぐにわかる。プロンプターの読み間違いについても気がつかないことも多く、自分の頭の中で整理して、自分の言葉でちゃんと喋れていないのである。一国の総理に対してこのような発言をしていいものかどうか自分でもいささか躊躇するが、ほんとにそう思うのだから仕方がない。おまけに副首相はと言えば、元首相であるにもかかわらず、くだらない失言を繰り返すばかり。人の痛みなんてさらさらわかっていないのだろうし、自分の立場を考えて、「こんなことを言ったら人はどう思うのか」という思慮が足りていない。
 何故こんな「人としてちょっとどうなのか」という人たちが首相や副首相として担ぎ上げられるのか?結局、おじいさんが偉かったからだけにすぎない。その派閥や地盤、財界とのつながりがあるから、「票につながりやすいし、資金も集まりやすい。」という安易な理由で自民党の総裁に祭り上げられて、あげく日本国総理大臣。しかも、官邸主導とかで政策決定はおろか、官僚の人事権もこの人たちが握る。そのため、この人たちのそばに言い寄ってくる人たちや企業のほうにばかり向いた政策や人事を平気で進めていく。あげくの果てに、忖度が生じて森友加計問題。本人は「忖度しろとは一言も言っていない」とか、また言い訳する。「忖度っていうのはまわりが気を利かして行うもので、本人が言ったとかそういう問題ではないのだよ。本人が言ったのなら、それは強制とか恐喝、パワハラというのだよ」と突っ込んだりしてもしようがない。その他、安保法案の強行採決。わけのわからない大学入試共通テストへの民間業者の参入。ここへきて検察庁の人事にまで口を出し、賭けマージャンで東京高等検察庁検事長が辞任に追いやられる始末。現政権が絡んだ失策には枚挙にいとまがない。世襲政治ともいえる現在の状況に終止符を打たなければ、こんな政権ではいくら優秀な人が官僚であってもばかばかしくってやっていられないだろうし、優秀な人が政治家になろうと思っても「こんな人達が上にいて、顔色を窺わなければならないようじゃあ、政治家なんてなってもつまらない」と思うだろう。
 もちろん、世襲議員の中にも優秀な人たちは少なからずいらっしゃるのだと思う。しかしながら、「代々の地盤だけで政治家はおろか、閣僚、果ては総理大臣になれる」という現在の状況では、日本の政治は腐敗するばかりだ。日本も英国と同じように、「世襲議員は代々続けて同じ選挙区からは立候補できない」といったような規則を作る等、選挙制度に何らかの改善を講じない限りは、関西弁で言うところのいわゆるアホボンばかりが政権の上層部に居座り、優秀な人たちは日本の国を見捨てて出ていくといった事態になりかねない。
 なんとか、日本の選挙制度を公正なものに変えることはできないのか?今のルールのままでは、あの人たちと似たような人たちが政権の上層部に居座ることになるので、変わり得ないのか?ため息が出るばかりである。

(宝塚市A.H)