武見新厚生労働大臣への期待
2023/11/01
9月13日に第2次岸田第2次改造内閣が発足した。我々医師になじみが深い武見敬三氏が厚生労働大臣として初の入閣を果たし、日本医師連盟やその他の医療系の政治団体が期待を寄せるところである。就任当初に「医療界の代表ではない」との発言が話題になったが、当然ながら日本医師連盟の要望を受け入れないという意味ではないと解釈したい。いまだに国民にインパクトが大きい父、元日本医師会長の故武見太郎氏の子息であるため医師の利益代表として就任したように思われることを避けたいとの意図での発言であっただけだと愚考する。日本医師連盟以下、医療界の政治団体は期待を表明することはあっても批判は一切していない。
そもそも氏は自身のホームページで少子化対策や新興感染症に対する危機管理など厚生労働行政の重要課題を挙げ、取り組み意欲を示している。後者に関して厚生労働省医政局地域医療計画課は8月24日に「改正感染症法等に基づく協定に関する説明会」を開催し、新興感染症発生時に国・自治体の責務とともに医療機関に果たして欲しい役割を記載し、行政と協定を締結させる方針を打ち出した。公的医療機関には義務を課しているのに対し、民間医療機関は任意としている。民間医療機関も積極的に協定に締結して協力したいところであるが、現段階では民間医療機関の医師をはじめとする医療職らが感染した際の補償については一切ふれられておらず、二の足を踏まざるを得ない。この点は新大臣には国民の利益のために考えていただけるだろうと期待したい。(K.S)