第135回兵庫県医師会定時代議員会にて緊急動議提出され可決
2006/10/23
ツ黴決 議
すべての国民は、健康で文化的な生活を営む権利を有し、国は社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上に努める義務がある。一方医療従事者は、国民皆保険制度のもと、最良の治療を行うことを自己の使命と考え、日々の診療に従事している。
ところがいま、医療・福祉に関わるこの単純かつ明快な理念が「聖域なき構造改革」の名のもとに崩壊の危機に瀕している。高齢者の医療費自己負担増、障害者自立支援法の施行、療養病床の大幅な削減によって高齢者・障害者などの社会的弱者がなお一層の窮地に立たされ、医療難民・介護難民の急増は避けられない。また混合診療の解禁、営利企業の医業経営参入によって、市場原理主義が導入されれば、医療の格差が拡大し、良質で公平な医療提供が不可能となる。さらに保険者機能の再編・強化、レセプト・オンライン請求の義務化による管理医療の浸透が患者のフリーアクセス権を阻害し、社会保障関係費の削減が弱者の切り捨てを現実のものにしようとしている。
我々は、全ての国民が安全かつ良質な医療を平等に享受できる医療制度を堅持し、発展させることが責務であるとの立場から、下記の事項を強く主張する。
記
一、 受診抑制を意図した患者負担増に反対。
一、 地域医療の崩壊に繋がる療養病床削減案の撤回。
一、 混合診療の全面解禁及び営利企業による医業経営参入の阻止。
一、 社会保障の理念に基づく国民皆保険制度の破綻を招く公的給付縮小に断固反対。
一、 レセプト・オンライン請求による管理医療導入の阻止。ツ黴
以上決議する。
平成18年10月22日
第135回兵庫県医師会定時代議員会